ラジエーターの構造

■ラジエーターの各部の名称

構造分解

ラジエータは、一般にエンジンからウオーターポンプで送られてきた熱水を、ラジエータコアで分散させ放熱させるが、其の水流方向で上下流(ダウンフロー)タイプと、左右流(クロスフロー)タイプに二分される。

ラジエーター構造図

クロスフロータイプ

構造横式

乗用車の一般的なダウンフロータイプ

構造縦式

(1)フィン

フィンは、チューブからの熱の伝達を受けて、熱を空気中に放散する目的のほかに、チューブの強度を補強する機能もある。 現在国内で生産されているフィンは、プレートフィンか、コルゲーテッドフィンのいずれかである。更に、コルゲーデットフィンは、ルーバ付きとルーバレスに分けることがでできる。フィンの材質は、プレートフィン型では銅条、黄銅条、半田メッキ銅板のいずれかが用いられ、コルゲーチッドフィン型では銅条が一般的である。

構造コアタイプ

フィンの各種形状

(2)チューブ

チューブは、エンジン冷却液の通路としての機能をもち、フィンに熱を伝達するとともにチューブ自身でも熱の放散を行う。また、ラジエーターの上下にあるプレートと連結してラジエーターの基本的な強度を構成する。

チューブの形状は、現状では扁平型が一般に用いられ、その寸法は放熱効率の関係からコアの厚みにより、短径が約2mm前後、長径は約13mm前後の数種類のものがある。チューブの材質は、黄銅条、最近では軽量化のためアルミ材に移行している。黄銅条をフォーミングでパイプ状にしたもは成形方法によりロックシーム(巻締め)型と呼ばれる。またバットウェルド(黄銅条両側面の突合せ溶接)型とがある。その他高圧仕様ではシームレス(継ぎ目なし引抜管)が使用される。

構造チューブ1

構造チューブ2

ロックシームチューブ

シームレスチューブ

チューブの断面形状

(3)プレート 構造プレート

チューブの両端にあるプレートは、多数のチューブの間隔を保持し、タンクとの連結の機能を有しながら、冷却液を漏らさないようにして流体の回路を形成するものである。このプレートで固定されたチューブとフィンの部分をコアと呼ぶ。 タンクとの接合部の形状は、現在のところ強度面、生産性の面から、落とし込み形状が多い、また、最近樹脂タンクが使用されるようになって、2通りのものがみられるようになった。この材質は、黄銅板である。

構造タンクカットプレート樹脂タンク

接合部の形状

(4)タンク

タンクは、高温の冷却液を一時的に貯え、これをコアにみちびくアッパータンクと、チューブを通過して低温になった冷却液を集めてエンジン側に流出させるロアータンクがある。そのタンクには、冷却液の出入力パイプ(それぞれを、アウトレットパイプ、インレットパイプと呼ぶ。)、注水口(フィラーネックと呼ぶ。)、及びドレンコックなどが取り付けられて、ラジエータの形が作られる。

タンクの材質は、黄銅でプレス成形するものが普通であったが、最近樹脂製タンクが普及し、出入口パイプ及び注水口などは一体で成形できる。それぞれの代表的な形状をアッパータンクを例にして比較すると、下図のとおりである。

なお、樹脂としては、66ナイロンにガラスウールを混入させたものが多い。

構造真鍮タンク

構造プラスチックタンク

真鍮ブラスト製タンク

樹脂プラスティック誓タンク

タンク形状

(5)ブラケット

ブラケットは、ラジエータコアの左右および上下でタンクを連結させてラジエータ本体を車体へ装着し並びにファンシュラウド(電動ファン)も取付け一体保持をするものである。また、車体やファンからの振動、外力などを受止め、ラジエータとしての強度、剛性を決める部品である。

材質は、真鍮製ラジエータでは鋼板製が普通で、プレス成形して下図のように作られる。

また樹脂製タンクラジエータでは上下タンクに本体保持用のピンが モノコック(一体化)で設けられている。

構造ブラケット 左図のものは真鍮製ラジエーターの

取り付け枠です

ブラケットの形状

(6)ファンシュラウド

ラジエータに風を導くクーリングファン(単に、ファンともいう)は、エンジンからベルトで駆動されるか、又は、電気的にモータで回転される。その空気を効率良くラジエータに導き、ラジエータの放熱効果を向上させるには、ファンシュラウドがなくてはならない。同時に、このファンシュラウドは、ファンが回転するときの危険を防止する機能もある。 鋼板をプレス成形して作る場合と、樹脂を用いて成形加工により作る場合とがある。プレス成形品は、メッキ又は塗装により防錆処理が行われる。モータ駆動ファンを取り付けるタイプのものは、その取り付け部が必要となる。

構造ファン

(7)プレッシャーキャップ(ラジエータキャップ又は、単にキャップともいう。)

構造キャップアッパータンクのフィラーネックに取り付けられるプレッシャーキャップは、右図に示すような構造をしており、2つの弁が内側に組み込まれている。一方は圧力調整弁(加圧弁)であり、他方は負圧弁である。圧力調整弁の開弁圧は普通、30~90kPa{0.3~0.9kgf/平方センチメートル}であるが、最近は、高くなる傾向にあり、100kPa{1.0kgf/平方センチメートル}を超えるものもある。
キャップの材質は、ステンレスか黄銅であるが、ほかにスプリング及びゴムパッキングなどの部品がふくまれている。 ・キャップには、次のような2つの機能がある。 a) タンクから冷却液がこぼれるのを防ぐのみならず、冷却液の蒸発を抑え、冷却液の温度高くしてラジエータ周辺の空気との温度差を大きく保つことにより、ラジエータの放熱性能を高めることができる。 b) 冷却液の温度が上昇してエンジン冷却全体の圧力が上がったとき、キャップ内の弁を開いて内部圧力を放出する。

(8)ドレンコック 構造ドレン

ドレンコックは、ラジエータのみならず冷却系内の水を排出する場合に使用する目的で、ラジエータに取り付けられている。 ドレンコックは、右図に示すように金属製のものと、樹脂製のものとがある。 最近、自動車用では、コスト、操作性などの面からそのほとんどが樹脂製になってきており、金属性は、大型車両や建設機械などに黄銅又は鋼製の様々な形状のものがある。

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